こぼれ落ちたピース

谷藤友彦(中小企業診断士・コンサルタント・トレーナー)のブログ別館。2,000字程度の読書記録の集まり。

三橋貴明


室谷克実、三橋貴明『韓国人がタブーにする韓国経済の真実』


韓国人がタブーにする韓国経済の真実韓国人がタブーにする韓国経済の真実
室谷 克実 三橋 貴明

PHP研究所 2011-06-18

Amazonで詳しく見る by G-Tools

 室谷克実氏によると、韓国には「外華内貧」と言って、表面は美しく繕うけれど、内部に関しては極めて無頓着な傾向が見られるという。

 ・かつての韓国の大企業は、本業以外はもちろん、グループ内各社の売上高を、連結ではなく単純加算した数字をもって、「『フォーチュン』誌で世界の500大企業にランクインした」と主張していた。企業の生み出した利益や付加価値額ではなく、単純に売上高を合計して誇っていた。

 ・日本の技術者が韓国の工場に技術指導に行って、「その機械はこっちに置いた方がスムーズな製造ラインができる」と指摘しても、「この機械は目立つところに置きたい。そうしないと外から見学に来た人が『立派な工場だ』と思わない」という答えが返ってくる。見てくれのいい機会を前面に出して、格好をつけたがる。

 ・韓国人はテレビであれパソコンであれ、外見を格好よく見せたい。だから、内部の部品には興味がない。部品メーカーを育てる発想もない。日本から部品を買い、見た目に格好よく組み立てて、海外で派手に売ればいいと考えている。

 ・韓国の建物は外観が立派でも内部は粗雑で、特に水回りが悪い。高級マンションでも水回りから壊れていき、15年も経てば住めなくなってしまう。日本では築40年でも上下水道管を替え、外装を塗り替えればちゃんと住めるマンションがたくさんあるのとは大違いである。

 ・2006年にペ・ヨンジュンが高級韓国料理と銘打って日本にレストランを開いたが、2011年12月に「休業」することになった。その理由は、「設備が古くなったから」だという。日本ではわずか5年で設備が老朽化することは考えられない。

 ・儒教では「身体髮膚これを父母に受く、あえて毀傷せざるは孝の始めなり」と言う。人間の体は全て父母からもらったものだから、傷つけないようにするのが親孝行の始めという意味だが、韓国人は平気で整形する。

 何の本だったか忘れてしまったのだが、「昔は左派というと賢いインテリのイメージがあった。ところが、今の左派は完全に堕落してしまい、右派の方が賢くなっている」といった文章を読んだことがある。次のくだりはまさにその一例だろう。
 たとえば彼らは「外国人だって税金を払っている。参政権を得るのは当然だ」という。私が「税金支払いの有無で参政権を決めるなら、所得税を払っていない生活保護者からは参政権を取り上げるのか。子供だって消費税を払っているが、子供にも参政権を与えるのか」というと、とたんに論理が破綻して「韓国には外国人参政権がある」という。

 そこで「韓国にいる外国人がどれほど少ないか知っているか。日本とは比較にならない」と反論すると、最後には「外国人がかわいそうだ」という感情論になる。こちらが反論するたびに理由が変わる。やはり「論拠なし。ただし、結論ありき」なのです。
 「オランダは外国人参政権を認めている」という人もいますが、そのオランダがいまどうなっているかというと、ゴッホの弟のひ孫の映画監督が、イスラム教徒に暗殺されるなど、国内が大混乱に陥った。「シンガポールは移民を積極的に認め、参政権も与えている」という人もいますが、シンガポールでは外国人労働者が妊娠すると、強制送還させられます。外国の事例を持ち出す人は、現実をどこまで知っているのか。
 通常、左派の論理には、右派にない美しさがある。右派は歴史や伝統を重んじる。歴史や伝統というのは、必ずしも合理的とは限らない人間の行動の積み重ねによって形成される。右派はそれを何とか論理的に説明しようとするため、必然的に一定の無理を内包する。一方、左派は歴史や伝統から離れ、合理的な思考に基づいて、あるべき社会像や人間像を描写する。まっさらなキャンバスの上に、理性を駆使して自由に論理を展開できるので、美しく描けるに決まっている。

 スタート地点で有利に立っているはずの左派が論理的危機に陥っているのは、由々しき事態である。右派は左派がなくなることなど望んでいない。

三橋貴明『いよいよ、韓国経済が崩壊するこれだけの理由』


いよいよ、韓国経済が崩壊するこれだけの理由 (WAC BOOK)いよいよ、韓国経済が崩壊するこれだけの理由 (WAC BOOK)
三橋 貴明

ワック 2013-01-09

Amazonで詳しく見る by G-Tools

 おそらく、日本で最も有名な中小企業診断士は、本書の著者である三橋貴明氏であろう。ただし、彼が有名なのは中小企業診断士としてではなく、経済評論家、もしくは作家としてであるが・・・。
 (韓国の)寡占状態は、1997年のアジア通貨危機とその後のIMFの介入が契機となっています。当時の構造が韓国の運命を決定づけたとも言えます。それまでの韓国には多くの財閥企業が存在し、傘下にある企業が過当競争を繰り広げていました。(中略)しかしIMFは、過当競争によって各企業の利益が圧迫されていることこそが問題だとして「ビッグディール(企業の大規模事業交換)」を強制的に行なったのです。
 韓国を支える輸出企業はことごとく外国人株主が半数を占めているのです。サムスン電子は49パーセント、現代自動車、ポスコなど、韓国経済の中核を担う企業のほとんどは50パーセント近くに達しています。(中略)このような状態に陥ってしまったのは、やはり通貨危機後のIMF管理によって行われた構造改革が原因です。グローバリズムに基づく資本移動の自由化が進められた結果でもあります。

 ウォンと株価が暴落し、バーゲンセールになった状態で、外国人投資家がサムスン電子などの株を買い漁ったために、外国人の資本的支配を受けることになってしまいました。そして、韓国国民の利益に何の関心も持たない外国人が株主として君臨し、配当金の最大化を目指す「株主資本主義」のための最適な経済モデルを作り上げていきました。
 旧ブログの記事「アメリカ金融帝国主義が本当なら経営学は何のためにあるのか?―『「競争力再生」アメリカ経済の正念場(DHBR2012年6月号)』」で述べたような、アメリカの金融帝国主義の仕組みに韓国もまんまと組み込まれてしまったというわけだ。IMF(≒アメリカ)に韓国を救おうという気持ちはさらさらなくて、アメリカにとって有利になるように改革を進めたというのが実情であろう。アメリカは韓国企業をいいように利用し、配当金やキャピタルゲインを搾り取れるだけ搾り取った後で、韓国企業をポイ捨てするかもしれない。

 一方で、本書にはこんなことも書かれていた。
 (韓国の教育レベルは、)全体的なレベルでは、お世辞にも優秀とは言えません。その元凶となっているのは「平準化教育」です。過熱する受験戦争を和らげる、という目的で高校の入試をなくし、志望者を抽選で各校に割り当てるようにしたものです。学校間の学力差をなくす目的ですが、その本質は、北朝鮮を礼賛する左翼政権による「愚民化政策」です。(中略)漢字を廃止してハングルのみにしたのも「愚民化」であり、一方で捏造した愛国の歴史を頭に詰め込むだけの教育です。
 共産主義は、労働者が資本家を打倒して平等な社会を実現する革命運動である。その革命思想に沿って、共産主義の下での歴史教育は、(1)自国民にとっての敵を想定し、(2)自国民はその敵によって虐げられていること、そして(3)実際には、自国民はその敵よりも優れていることを教える。韓国は(1)の結果として日本を敵視しているわけだが、(2)が行き過ぎると被害者意識が暴走して、実際にはなかった被害を「あった」と言って歴史を捏造するようになるし、(3)が行き過ぎると「劣等な日本人が優秀な韓国文化をパクった」などと主張するようになる。

 そういう教育をしていれば、やがては行き詰まることは目に見えている。共産主義は、常に何らかの敵を想定しなければならない。その敵がいなくなってしまったら、自らの存在意義がなくなってしまうからだ。よって、共産主義者は永遠に誰かに虐げられているのであり、それゆえに永遠に成熟することがない。加えて、韓国から漢字が奪われていることが韓国の衰退に拍車をかけるであろう。歴史を振り返ってみると、文字を奪われた民族は例外なく滅んでいるのである。

 韓国は、一方ではアメリカの資本主義の草刈り場になっており、もう一方では北朝鮮の共産主義の草刈り場になっている哀れな国である。1976年に南北ベトナムが、そして1989年に東西ドイツが統一され、冷戦が終結した現在では、もともと同じ国であった場所が資本主義と共産主義によって分断されているのは朝鮮半島だけである。北朝鮮は北朝鮮で、別の理由から崩壊が近づいていると言われる。南北朝鮮の統一はもはや遠い夢かもしれない。となると、このままの緊張状態で、韓国の政治や経済はどのように舵取りをしていくのだろうか?
プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。これまでの主な実績はこちらを参照。

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

 現ブログ「free to write WHATEVER I like」からはこぼれ落ちてしまった、2,000字程度の短めの書評を中心としたブログ(※なお、本ブログはHUNTER×HUNTERとは一切関係ありません)。

◆旧ブログ◆
マネジメント・フロンティア
~終わりなき旅~
シャイン経営研究所HP
シャイン経営研究所
 (私の個人事務所)

人気ブログランキング
にほんブログ村 本ブログ
FC2ブログランキング
ブログ王ランキング
BlogPeople
ブログのまど
被リンク無料
  • ライブドアブログ