最新〈業界の常識〉よくわかる医療業界 (最新 業界の常識)最新〈業界の常識〉よくわかる医療業界 (最新 業界の常識)
川越 満 布施 泰男

日本実業出版社 2010-03-26

Amazonで詳しく見る by G-Tools

 医療業界に関するデータのメモ書き。ただし、本書は2010年のものなので、数字が若干古い点には要注意。あくまでも、業界の規模感をつかむための整理。

 ・2007年度の国民医療費は34兆1,360億円。ただし、これには正常な妊娠・分娩や差額ベッドなどの保険外併用療養費、予防・健康管理サービス部分に加え、管理業務に相当する費用や医療機関などへの公的な補助金などが含まれていない。これらを含めた総保健医療支出は約40兆9,501億円である。

 ・2007年の医薬品最終製品生産額は6兆4,522億円であった。うち、医療用医薬品は5兆8,281億円、一般用医薬品は5,929億6,300万円。医療用医薬品の市場は一般用医薬品の約10倍である。

 ・日本の病院は0.9万、診療所は16.7万、薬局は5.3万。これに対し、アメリカの病院は0.6万、薬局は6.5万。ドイツの病院は0.2万、薬局は2.2万(アメリカとドイツには診療所がない)。日本の医薬品流通は毛細血管型と言われる。

 ・2009年平均の就業者数は6,282万人。うち、医療・福祉分野の就業者数は621万人であり、全体の1割を占める。621万人の内訳は、医療業が329万人、保健衛生が10万人、社会保険・社会福祉・介護事業が282万人である。

 ・医業業界では、「医業経営コンサルタント」という認定資格がある。この資格は1990年に設立された(社)日本医業経営コンサルタント協会が認定する。2009年4月1日時点で、2,182人の医業経営コンサルタントが同協会に登録している。

 ・(財)日本医療機能評価機構は2010年2月5日までに、2,572病院に対して病院機能評価事業における認定証を発行した。ただ、この認定書の取得には、直接的費用が607万円、設備投資的費用が1,633万円、合わせて2,000万円以上かかる。一方、ISO9001であれば、直接的費用が893万円、設備投資的費用が75万円、合計約1,000万円と半分ほどで済むようだ。

 ・国内医療機器は、出荷額が約2兆1,000億円、品目数が約13.5万である。1製品の市場は約1,500万円と非常に小さい。

 ・介護保険における要介護者は、2008年3月末時点で453万人。2007年の介護保険給付額は6.4兆円。介護サービスの提供主体は、在宅の要介護者を支援する居宅サービス事業所と、入所する要介護者を支える介護施設がある。

 ・居宅サービス事業所の中で最も数が多いのは訪問介護事業所で、全国に2万1,069ある(2007年10月1日時点)。次に多いのが通所介護事業所で、2万997か所である。介護施設は、介護療養型医療施設(入居者のうち要介護度5以上が半分以上を占める)、介護老人福祉施設(要介護度4~5が約6割)、介護老人保健施設(要介護度3~4が半分)に分けられる。2007年におけるそれぞれの施設数は、2,608、5,892、3,435となっている。