週刊ダイヤモンド 2015年 9/5 号 [雑誌] ダイヤモンド社 2015-08-31 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
中国経済を推し量る3つの指標についてのメモ書き。
(1)李克強指数
中国政府が発表するGDPの数字はかさ上げされているという声がよく聞かれる。GDPよりも中国経済の実態をよく表していると言われるのが、「李克強指数」である。国務院総理を務める李は経済学博士でもある。李が注目するのは、①電力消費量、②鉄道貨物輸送量、③銀行中長期融資という3つの指標である。
足元の数字を見ると、電力消費量は前年比マイナス0.8%、鉄道貨物輸送量は前年比マイナス12.6%と大きく落ち込んでいる(銀行中長期融資のみが前年比プラス14.3%となっている)。李克強指数を織り込んだデータを分析したイギリスのファゾム・コンサルティングによれば、中国の直近の経済成長率は公式発表の半分以下の3.1%にすぎないという。
(2)コムトラックス
世界第2位の建設機械メーカーであるコマツは、ダンプやショベルカーなど世界約30万台の建機にセンサーを搭載し、位置情報や稼働状況、燃料残量などを常に把握できる「コムトラックス」という仕組みを構築している。
コムトラックスが収集した中国国内の建機の稼働時間の推移を見ると、2014年以降はほぼ前年同月比でマイナスが続いている。足元は鉄鉱石や石炭をはじめ、北東部などの資源採掘に使う大型建機の需要が低迷している。
(3)国内自動車販売台数
フォード・モーターは中国市場全体の販売台数を2,300~2,400万台と予想しているが、もし下限の2,300万台ならば、17年ぶりの前年比マイナスとなる。中国は2009年にアメリカを抜き去って世界1位の自動車販売市場になった。しかし、現在メーカー各社は減産調整に入っており、業績への影響は必至の様相である。