こぼれ落ちたピース

谷藤友彦(中小企業診断士・コンサルタント・トレーナー)のブログ別館。2,000字程度の読書記録の集まり。

資格スクエア

鬼頭政人『東大合格者が実践している絶対飽きない勉強法』―京大・中小企業診断士に受かった私からのアドバイスは「参考書は読むな」


東大合格者が実践している 絶対飽きない勉強法東大合格者が実践している 絶対飽きない勉強法
鬼頭政人

大和書房 2017-09-22

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 《参考記事》
 鬼頭政人『開成→東大文I→弁護士が教える超独学術 結局、ひとりで勉強する人が合格する』
 鬼頭政人『資格試験に「忙しくても受かる人」と「いつも落ちる人」の勉強法』

 資格通信講座「資格スクエア」を運営する株式会社サイトビジットの代表取締役社長・鬼頭政人氏の最新刊。読みながら自分の受験時代のことを思い返していた。何せもう20年近く前のことなので記憶が曖昧なのだが、私の場合は以下のようなスケジュールで勉強をしていた。

 <平日>
 16時~17時:数学
 17時~18時:英語長文
 (18時~19時:夕食)
 19時~21時:国語(古文・漢文)、化学、英語(文法・英作文)を日替わりで
 (21時~21時30分:入浴)
 21時30分~23時30分:日本史・世界史ノート作成
 23時30分~24時:日本史・世界史復習
 (24時:就寝)

 <休日・夏休み>
 9時~12時:数学
 (12時~13時:昼食)
 13時~13時30分:英語文法
 13時30分~14時30分:英語長文読解
 14時30分~15時:英作文
 15時~16時:現代文
 16時~17時:古文・漢文(1日交替)
 17時~18時:化学
 (18時~19時:夕食)
 19時~21時:日本史・世界史ノート作成
 (21時~21時30分:入浴)
 21時30分~23時30分:日本史・世界史問題集
 23時30分~24時:日本史・世界史復習
 (24時:就寝)

 私は数学と英語を得意科目にしており、重要な得点源だったため、多くの時間を割いていた。一方、(文系でありながら)国語が大の苦手であり、特に現代文はどうやったら点数が上がるのか解らなかったので、優先順位を落とした。今こうして振り返ってみると、日本史と世界史に時間をかけすぎていたと感じる。京都大学の場合、センター試験の得点は4分の1に圧縮され、また、2次試験も国語・数学・英語が150点満点であるのに対し、日本史・世界史(どちらか一方を選択)は満点が50点しかなかったから、もっと手を抜いてもよかったかもしれない。

 私は新卒入社した会社を1年ちょっとで退職し、その後中小企業診断士の勉強を始めた。会社の有給休暇を消化し始めた5月から勉強を開始し、8月上旬には1次試験を受けたので、自慢ではないが(まあ、自慢なのだが)私は1次試験の勉強を3か月ほどしかしていない。最初の1か月で通信講座のテキストを一通り読み、その後は3種類の問題集を買って、ひたすらそれを解きまくった。

 京都大学の受験勉強にも中小企業診断士の勉強にも共通して言えることは、「参考書を読むのに時間をかけてはいけない」ということである。私の勉強法を一言で言うならば、「とにかく問題集を解きまくること」、これに尽きる。時々、参考書をひたすら読み込んで、赤や青などのマーカーで重要用語を色分けすることに一生懸命になっている人がいるが、あまり意味がないと思う。参考書に重要であると書いてあっても、あるいは自分でこれは重要だと思っていても、問題として出題されないものは出題されない。逆に、参考書に重要でないと書かれていても、あるいは自分でこれは重要でないと思っても、出題される時は出題されるものである。出題頻度を知るためには、やはり実際の問題を解くしかない。

 出題頻度や出題傾向を知るためには、鬼頭氏も述べているように、過去問を解くのが一番である。当時の私にはこの視点が欠けていたため、京都大学や中小企業診断士の過去問を解いたのは試験の直前であった。ただ、受験勉強の時は、どこの誰が作ったか解らない想定問題集ではなく、様々な大学の過去問を集めて編集された問題集を使うように気をつけていた。

 一方、診断士の場合は、過去問と言えば1種類しかなく、それを選択しないということは、あくまでも想定問答集を解いているにすぎない。私は3種類の問題集をほぼ完璧に解けるまで勉強したが、いざ実際に過去問を解いてみると、財務会計や運営管理で50点ぐらいしか取れないことがざらにあって焦った記憶がある。診断士の受験生の皆さんには、是非10年分ぐらいの過去問を解くことをお勧めしたい。個人的には、同友館の『過去問完全マスター』がお勧めである。

2017年版 過去問完全マスター 1 経済学・経済政策2017年版 過去問完全マスター 1 経済学・経済政策
中小企業診断士試験研究会

同友館 2017-01-25

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 私は普通の人よりもよく本を読み、よくブログを書いていると思っている。つまり、普通の人よりもよく勉強している自信がある(それが仕事のアウトプットに結びついているかと言われると困るのだが・・・)。社会人になってからの勉強方法は色々と試行錯誤を重ねた結果、ここ1、2年ぐらいでようやくこれだと思える勉強方法にたどり着いた。私は無印良品で売っている文庫本サイズのメモ帳を重宝している。まず、本を読んだり、それに基づいてブログの記事を書いたりした時は、その内容をまとめてメモ帳に記載するようにしている。

ノート

 その際、ポイントの数は、3つ、5つ、7つのいずれかに収めるようにしている。経験的に、この数にまとめると覚えやすく、後から思い出しやすいと感じるからである。どうしてもこの数に収まらない内容は、重要度が低い、あるいは自分にとって縁がない内容だったのだと潔く諦める。

 そして、メモ帳に書いた内容を思い出すという作業を日課にしている。現在の私は、大学受験時代の30分の早風呂とは違って、1時間ぐらいゆっくりと湯船につかるようにしているため、その時間にメモ帳の内容を思い出す。また、仕事中、電車に乗って移動している間にも、この思い出し作業を行っている。そのおかげで、定期購読している『致知』、『TOPPOINT』、『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』、『一橋ビジネスレビュー』、『正論』、『世界』や、日頃読んでいる本の内容、およびそれに関連するブログの内容で、私が覚えておきたいと思っていることは、1年半分ぐらいのボリュームが頭の中に入っている。30代も後半になって記憶力も落ちてくるかと思ったが、まだまだ大丈夫そうである。

鬼頭政人『資格試験に「忙しくても受かる人」と「いつも落ちる人」の勉強法』


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鬼頭政人

大和書房 2016-09-23

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 資格通信講座「資格スクエア」を運営する株式会社サイトビジットの代表取締役・鬼頭政人氏の最新著書(前著については、以前の記事「鬼頭政人『開成→東大文I→弁護士が教える超独学術 結局、ひとりで勉強する人が合格する』」を参照)。私も随分前に、旧ブログで「大学受験の勉強は、社会に出てから必要な「マネジメント」のいい予行練習になると思う」というちんけな記事を書いたのだが、目標=試験に合格するために必要な知識量とその応用方法特定すること、試験日から逆算して勉強のスケジュールを立てること、そして計画は分単位まで具体的に落とし込むことが重要という点には大いに賛同する。

 最近の私は、どんな分野でもたいてい、適切な努力さえすれば上位10%に入ることが可能ではないかと思っている(スポーツや芸術のように、特別な才能が必要な分野は例外)。本書では、司法試験、公認会計士、行政書士、社会保険労務士、中小企業診断士、簿記1級といった資格に触れられているが、これらの試験の合格率はだいたい10%前後である。いわゆる難関資格でも、本書にあるように賢く勉強すれば合格できる。そして、試験以外の一般論として言うと、世の中の書籍や諸先輩方を上手に活用すれば、上位10%食い込むのはそう難しくない。

 ただし、上位10%で満足してはいけないと思う。もし自分が一生涯の時間をつぎ込んででも本当に極めたい分野があるならば、上位1%、いや上位0.1%を目指さなければならない。これは、試験勉強のような学習方法では到達できない領域である。上位10%までは、達成すべき目標が見えており、そこに至るための道具もある程度揃っている。ところが、上位0.1%となると、もはや目標は見えない。目標(課題・アジェンダ)は自分で設定しなければならない。

 目標に至る道筋も自分で開拓する必要がある。入手可能な情報や知識をあれこれと結合させ、実験を行い、自分らしい解釈を加えて、オリジナルの、だが、世の中の事象をよりよく説明できるような、あるいは今まで多くの人が音を上げた困難な仕事を見事に推進することができるような、新しい知を生み出すことが求められる。そういう強靭な知を有する人こそ、超一流と呼ぶことができる。

 自分でこんなことを言うのもおこがましい話だが、私は一応中小企業診断士であるし、曲がりなりにも経営コンサルティングを10年ほど続けてきた。だから、コンサルティングの世界では上位10%に入っていると自分では思っている(あくまで自己評価なので、叩きたい方はどうぞ)。しかし、私の場合は2012年に1つの転換があって、自分はそれまで単に欧米流の経営理論を表面的に追いかけてきただけだと気づいた。超一流のコンサルタントになるためには、日本という社会、風土に根差した経営理論を独自に構築する必要があるという考えに至った。旧ブログを停止し、わざわざ現行のブログを新たに立ち上げたのはそのためである。

 最近、私は個人的に元外交官の佐藤優氏のことを尊敬している。毎月何十本という執筆を抱えながらも、毎月百冊単位で本を読み、年に数冊は著書を発表している超人である。マルクス主義と神学を武器に、論壇を右から左まで自由自在に行き来することができる稀有な方である。佐藤氏の努力に比べれば、今の私の努力など塵に等しい。塵が目に見えるゴミになる程度には、もっと自分のギアを上げていかなければならないと感じている。

鬼頭政人『開成→東大文I→弁護士が教える超独学術 結局、ひとりで勉強する人が合格する』


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鬼頭 政人

幻冬舎 2016-08-25

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 資格通信講座「資格スクエア」を運営する株式会社サイトビジット代表取締役・鬼頭政人氏の新刊。私などは岐阜県の公立高校⇒京都大学法学部⇒中小企業診断士なので、鬼頭氏に比べると数段も格落ちしてしまうのだが、私も鬼頭氏と同じく独学派である。基礎的な教科書を一通り読んだら、過去問をひたすら解くのが最も効果的というのは、私も全く同感である。

 個人的な自慢で恐縮だが、私は中小企業診断士の1次試験の勉強を実質3ヶ月程度しかしていない。SIerに勤めていたから「経営情報システム」はある程度解るし、一応法学部卒なので「経営法務」は問題ない。また、在学中に簿記2級に合格していたため「財務会計」の基礎知識も持っていた。さらに、法学部でありながらなぜか経営学の面白さに気づいて、経営学を独学で勉強していたから、「企業経営理論」と「新規事業開発」も何とかなると思った。

 そういう楽観的な希望の下、最初の1ヶ月は通信講座のテキストを読むことに徹した。だが、テキストを読んだのはその1ヶ月だけで、残りの2ヶ月はひたすら問題集を解いていた。1種類だけだと問題の傾向に偏りがあると思い、3種類の問題集を繰り返し解いた。私の勉強法はただそれだけである。

 京都大学に入学したのも、ほとんど独学である(Z会の通信講座だけ受けていた)。中学時代に一時期だけ塾に通っていたものの、自分のペースで勉強できないことに嫌気が差して、それ以来一度も塾には通わなかった。高校生の時も、勉強の中心はやはり市販の問題集であった。正直に言うと、教科書はろくに読んだことがない。ただ、私は根っからの完璧主義者で、鬼頭氏のように「ヤマ張り」ができないタイプだった。出題される可能性が低いと思われる古文単語や英単語、歴史用語なども全部ノートにきれいに整理し、トリッキーな解き方をする数学や化学の問題もその解法を暗記することに努めた。

 大学に入ると、私の完璧主義が支障をきたすようになった。大学の講義は、高校までの内容とは異なり、教える内容があらかじめ決まっているわけではない。講義はどちらかと言うと拡散的になる。完璧主義者の私は、教授の発する言葉を一言一句聞き漏らすまいと集中力を高めて、ノートを必死に取っていた。期末試験も、できるだけ100点を目指した。ところが、蓋を開けてみると、教授の採点基準というのは実に曖昧であることに気づいた。100点を目指すのは意味がないことに、この時になってようやく気がついた。

 それでも、私の長年の完璧主義は在学中に矯正されなかった。就職してからも完璧主義を目指したため、とりわけ前職のベンチャー企業(コンサルティング&教育研修事業の会社)では、理想と現実のギャップに随分と苦しめられた(詳細は、ブログ本館「【シリーズ】ベンチャー失敗の教訓」を参照)。精神病を発病するに至ってついに、私は自分の完璧主義を放棄することにした(病気の経緯などについては、ブログ本館「【シリーズ】中小企業診断士を取った理由、診断士として独立した理由」を参照)。

 本書は、学校の試験や資格試験のように、ゴールが決まっている場合の独学法について述べたものである。だが、人生においてさらに重要なのは、ゴールが決まっていないテーマについて、一生涯を捧げる覚悟で探求を続けることであると思う。私が定期購読をしている雑誌『致知』には、様々な企業経営者が登場するが、経営者の方は歴史や中国古典などに実によく精通している。これらの分野は、誰かから勉強しろと言われたわけでなく、経営者自身が自分の人間の器を広げ、ひいてはそれが経営に反映されるようにと進んで勉強したものである。

 こういうゴールのない学習は、必ず独学になる。皆さんも、ゴールは見えていないが、今の自分には何かが欠けているという感覚を持つことがあると思う。そういう認識こそが学習の契機となる。その不足を補うために、役に立ちそうな書籍を読んでみる。ところが、1冊の本を読むと、理解が進むどころか、かえって解らないことが出てきて、それを知るためにまた別の本を読むことになる。これを繰り返していくと、どんどんと読書量が増えていく。

 独学で読書をする際に、完璧主義は邪魔者以外の何者でもない。完璧主義者は、1冊の内容を完全に理解しないと次に進めない。しかし、数百ページもある1冊の本の中身を全て頭に収めるのはほとんど不可能である。私は勝手に「いい加減読書」と呼んでいるのだが、解らないところがあっても、まずは最後まで読みきる。そして、読み終わった後、A6サイズのノートに1ページぐらいのボリュームで、勉強になったことを書き出すことができれば十分だと考えている。

 いい加減読書ができるようになったのは、私の精神病が悪化して1ヵ月半ほど入院し、退院後に簡単な本をさらっと読むことからリハビリを始めた頃である。そのおかげで、現在では以前に比べて読書量がぐっと増えた。そういう点では、病気になったことにも意味があったと言えるかもしれない。

 私の人生のテーマは、「日本人らしい価値観とは何か?外国から流入した価値観は、日本人の価値観にどのように接合されたのか?逆に、日本人の価値観にうまく接合されず、日本人が仮面をかぶっているだけの価値観とは何か?そのような表面的な価値観を取り払って、真の価値観にたどり着いた時、その価値観を反映した日本らしい経営とはどのようなものになるのか?」ということである。この曖昧なテーマを探求するために、どういう本を読んだらいいのか、最初はまさに手探り状態だった。ところが、何年か読書を続けるうちに、こういう分野の本を読み続ければよいのではないか?という分野がいくつか見つかるようになった。

 この手の独学には、鬼頭氏が本書の中で独学を長続きさせるための要素として挙げている「監視」、「競争」、「危機感」、「承認」はない。私は誰かに見られているわけでもないし、誰とも競争していない。別にこんなことを勉強しなくても生きていけるし、私が独学の結果を断片的にブログで発表しても誰かが認めてくれるわけではない。では、何が私をそこまで突き動かしている燃料になっているのかと言うと、逆説的だが、実は何の燃料も持たない「無の境地」ではないかと思う。無に吸い込まれるかのように、今日も私は何かの本を読む。
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プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都豊島区を拠点に、東京23区で活動する中小企業診断士(コンサルタント・トレーナー)。

 専門領域は、(1)経営ビジョン・事業戦略の策定、(2)ビジョンや戦略とリンクした人材育成計画の立案・人事評価制度の構築、(3)人材育成計画に沿った教育研修プログラムの企画・開発。

 モットーは「日々改善、日々成長」、「実事求是」、「組織のためではなく知識のために働く」、「奇策は定石より先に立たず」、「一貫性(Consistency)」、「(無知の知ならぬ)無知の恥」

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

 現ブログ「free to write WHATEVER I like」からはこぼれ落ちてしまった、2,000字程度の短めの書評を中心としたブログ(※なお、本ブログはHUNTER×HUNTERとは一切関係ありません)。

◆旧ブログ◆
マネジメント・フロンティア
~終わりなき旅~
所属組織など
◆個人事務所
 「シャイン経営研究所」◆ シャイン経営研究所ロゴ

(一社)東京都中小診断士協会一般社団法人東京都中小企業診断士協会
(城北支部執行委員、青年部長を務めています)

企業内診断士フォーラム(KSF)企業内診断士フォーラム
(独立診断士の立場から、企業内診断士の活動を応援しています)
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